九州のやきもの産地の中でも伝統ある小代焼は、熊本県荒尾市のおだやかな丘陵地帯にあります。 その歴史の中で一時途絶えた時期もありましたが、現在十軒余の窯元が作陶を続けます。 ふもと窯は井上泰秋さんが伝統的な小代焼を、息子の井上尚之さんがスリップウェアを中心に手掛けます。 泰秋さんの器は技巧をつくした鎬(しのぎ)に深みのある釉薬の掛け分けが魅力的です。 尚之さんのスリップウェアは、ダイナミックな紋様にも細部に繊細さが見受けられとても味わい深いです。 同じ窯から生まれた焼きものですが二つの特異な個性をもつ器が生まれるのが特徴的です。 |